英語で愉しむ信長・秀吉・家康と戦国時代(11.10刊)
本書は小倉弘先生が本当に出したかった本です。
しかし、はしがきにも書かれている通り、売れるかどうかも前代未聞です。一人でも多くの方が小倉先生入魂の「歴史解説」を堪能して頂きたく思います。
今回は「愉しむ」にルビを振りませんでした。書店さんからどんな注文がくるか楽しみにしています。「底力」は今のところ次のパターンがあります。
・そこぢから→これが正解
・ていりょく→そんな日本語ない、はず
・そこりょく→???
例解 和文英訳教本〈公式運用編〉(11.01刊)
『文法矯正編』での編集後記からの続きです。
ほんとにそうなりました。
例解 和文英訳教本〈文法矯正編〉(10.07刊)
以下は、『長文編』での編集後記からの抜粋です。
「まず、本書は「長文編」となっています。「〜編」といったら、シリーズ物で、他の「〜編」があるはずです。しかし本書は単独で「長文編」。普通はこれから他の「〜編」がでるはず、と期待しますね。そうです。そのとおり、これから違うレベル、あるいは視点を変えた「和文英訳」のシリーズが次々と刊行される...はずです。しかしそれは小倉先生の気分次第でもあるので、ぜひ続編を読んでみたいという方は、気持ちのこもったお便(メール)りを編集部(宛先は営業担当:salesdep@place-inc.net)までお寄せください」
はい、その熱いご要望に応えて、「例解 和文英訳教本」の第二弾がほんとに登場しちゃいました! そして、これにはまだ続きがあります。このシリーズは「三部作」として企画されており、次作「短文編」が早くも進行しつつあります。「長文」「文法」だけでもお腹いっぱいなのに、もう一冊なんて読めません、という読者の方、ご安心ください。
「〜は別腹」のたとえ通り、本シリーズは、いくらでも読めるおいしい内容です。特に向学心のある方にはたまらない本でしょう。でも、今の時代、向学心のない人はあっという間に社会の仕組みからはじき出されてしまいます。いわゆる「負け組」というやつです。「勝ち」とか「負け」で人を判断したくはないのですが、どちらにしても、好奇心を持って努力する人の将来が明るいことは間違いないでしょう。
というわけで、この項書きかけです。(次回更新のときには、がらっと文章が変わっているかも知れません)
短文編はこうなるかもです。
100の超基本名詞で広がる 英語コロケーション2500(10.05刊)
世の中、「英語は動詞が大事だ」「英語は動詞中心に学ぼう」「英文ではまず動詞を探しなさい」等々という本、あるいは「動詞の語法」を説いた本は山ほどあります。
「英語は名詞中心にマスターすべき!」なんていう本はおそらく本書だけじゃないでしょうか。しかし、よく考えてみてください。あらゆる言語は、動詞をマスターするより名詞をマスターする方がはるかに簡単です。動詞だけでは会話は成立しませんが、名詞だけでも会話が成立する場合がほとんどです。
それに名詞には、文中で使われる場合、その前後に必ず他の語句(動詞、形容詞、前置詞など)を伴って使われるという特徴があります。それもだいたい決まった組み合わせで使われることが多いのです。これを「コロケーション」といいます。辞書では「連語」と訳されたりしていますが、「コロケーション」と覚えた方がその実像をつかむことができるでしょう。こうしたアプローチを本書では「名詞の文法」(noun grammar)と呼んでいます。
そう、本書はこの名詞の性質を利用した「コロケーション集」なのです。それも、私たちの生活の中でとてもよく用いられるごく簡単な100の名詞から、コローケーションを利用して、使える表現を増やしていこうというのが狙いの本です。
また、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、本書は既刊『バーナード先生のネイティブ発想・英単語』(在庫切)を改造したものです。2つの大きなポイントは、例文の呈示の仕方を「英→和」から「和→英」に変えて、アウトプットの練習をしやすくしたことと、音声データを用意したことです。これにより、ケータイやスマートフォンがあれば電車の中でも、音声を聞きながら本書を効果的に学習することができるようになりました。
その他では、全体的な例文の見直しを行い、特にいくつかの時事的なテーマでアップデートが行われています。また、例文に対する注記や関連語句が多く追加されています。
本書は、ある程度の語彙力を持つ学習者が、「そのまま使える形」でさらに語彙を増やしていくのに向いていると思います。本書の意図を理解して学習されれば、他のいわゆる「単語集」による学習がいかに効率の悪いやり方であるかもわかって頂けるのではないでしょうか。
『英単語ピーナツほどおいしいものはない』の金メダルコースを卒業した方にもぜひオススメしたい一冊です。
個人的にはこっちがよかったな、、、
例解 和文英訳教本〈長文編〉(10.01刊)
まず、本書は「長文編」となっています。「〜編」といったら、シリーズ物で、他の「〜編」があるはずです。しかし本書は単独で「長文編」。普通はこれから他の「〜編」がでるはず、と期待しますね。そうです。そのとおり、これから違うレベル、あるいは視点を変えた「和文英訳」のシリーズが次々と刊行される...はずです。
しかしそれは小倉先生の気分次第でもあるので、ぜひ続編を読んでみたいという方は、気持ちのこもったお便(メール)りを編集部(宛先は営業担当:salesdep@place-inc.net)までお寄せください。
さて、本書には大学入試問題から採用した和文英訳の素材が48ペース収められています。いずれも小倉先生が全体の構成も考慮して厳選に厳選を重ね、夜も寝ないで選び抜いた珠玉のピースです。
小倉先生の現在・過去の生徒さんなら、気がつくはずですが、小倉先生は代ゼミでネイティブスピーカーとのペア授業で英作文を教えていらっしゃいます。つまり、ここに採用された問題の解答(英文)はどれもネイティブスピーカーとの協議のうえ導き出されたものなのです。用するに、すでに十分なネイティブチェック済みの英文ばかりだということです。
それにもかかわらず、本書は別のネイティブスピーカー(クリストファ・バーナード先生)が英文校閲者として名前を並べています。これはなぜなのでしょうか?
それは、ひとことで言えば、新たな発想を持ち込むため、です。バーナード先生が小社で表された『和文英訳エクササイズブック』を読まれた方はご存知かと思いますが。和文英訳には、「決定版」というものがありません。発想を変えることにより、複数の、しかも、全く異なる語彙・構文で書かれた翻訳が導き出されることがあります。そしてそのいずれもが英文として自然なものです。
本書でも、そういった異なる発想からの英文を求めてバーナード先生に校閲をお願いしました。そしてそれはかなりの成果を収めたといえるでしょう。制作過程の機密にかかわることですので(原則として、読者の方々は出来上がった本をそのまま受け入れて頂ければよいのです)なので、多くは語れませんが、一つだけ紹介すれば:
「〜のように思える/見える」はseemやlook likeを用いて書けば十分であり、ほとんどの人がそう書くでしょう。しかし、ここでremind A of Bを用いる手もあります。「〜のように思える」ということは、それを見ている者に「〜を思い起こさせる」ことだからです。こういった、発想転換による解答が本書の随所にちりばめられています。もちろん、学習者のレベルを十分に考慮してあります(といっても本書は、かなり上級レベルの学習者を想定しての構成になっていますが)。
正直言って、中級以下の学習者には本書を読みこなすことは難しいでしょう。それでも、あるレベルから一段上のレベルに進もうという意欲のある方は、ぜひ本書の48題に取り組んで、和文英訳の発想のバリエーションに触れ、その奥深さと楽しさを感じ取って頂ければと思います。
どっちにしても渋すぎますが、何か?
PS
というわけですが、続編は「短文編」と決まったようです。「短文編」であって「初級編」でないのがミソなようです。
実は知らない 英文誤読の真相88(09.12刊)
まずは次の英文を見てみてください。
... and the liberal arts college can serve no more useful purpose than to stand in the future even more than it has stood in the past for the highest, broadest, and most generous views of learning and of life.
一読してこの英文の意味がわかる、つまり、構造が理解できる人は本書を読む必要はありません。あなたはすでに最高レベルの英文読解力を身につけています。
しかし、どんなに英語ができると思っている人でもこの英文を読み解くのにかなりの時間を要するのではないでしょうか? 最後まで自分の解釈に自信が持てないまま...(たとえあなたが英語教師でも)
ただ、この英文はそれほど「ひねくれた」ものではありません。英語の基本と原則に立ち返って素直に英文に向き合えば、その理解は意外とあっけないものです。逆に、受験時代あるいは社会人になってからも、いろんな「公式」や「熟語」をしゃかりきになって勉強してきた人ほど、この英文が読めないかもしれません。thanといえば比較表現にかかせない接続詞、それも「等位」接続詞ですが、等位接続詞の原則について、すぐに答えられる人はそう多くはありません。いや、ほとんどいないのではないでしょうか。これはandについても同様です。
本書は、こんな、固定観念や生半可な知識ではとうてい読めない、しかし英語の原則に忠実に書かれている英文のポイントを88(+1)とりあげて徹底的に解説したものです。英語の基本を深く考えないで今まで学習してきた人にとっては、とてつもない高度な内容の本です。そして、それはほとんどの日本人の英語学習者にあてはまることもわかっています。
あなたが受験生であろうと、英語教師であろうと、今一度英語に素直に向き合う意欲のある人に読んで頂きたいと思います。
でも、あなたはきっと間違える...
語源の底力(09.11刊)
みなさんは「語源」と聞くとどんな印象をお持ちでしょうか?
「なにか難しそう」とか「古くさそう」あるいは「わけがわからない」といった言葉が浮かんでくる方もいらっしゃるでしょう。
ただ、こと英語学習に関しては、語源を用いた単語集やボキャビルなどが多く出回っていたり、語源による学習の重要性を説く教育者の方も多くいらっしゃるせいか、ある程度肯定的に捉えられているのではないでしょうか。
語源によるボキャビルの有用性については、誰もが最初は興味を持つようです。とくに「接頭辞」を用いた解説はわかりやすいので、みなさんもたぶん一冊くらいは語源の解説書、あるいは単語集をお持ちではないでしょうか。re-「再び」とかpre-「前に」などは簡単ですし、日本語のカタカナ言葉にもなっていますよね。
しかし、なかなかあとが続かないのです。「接頭辞」も最初は面白いけれど、数が増えにつれて難しくなり、結局は覚えるべきことが増えるだけ、とか、「接尾辞」や「語感」になると、ふつうの英語の感覚とはかなりずれてきて、わけがわからなくなる。transferはtrans(越えて)+fer「運ぶ」だから「移動させる」だけど、inferはin(中に)+fer(運ぶ)がなんで「推論する」になるの? とか、、、
やっぱ雑学で実用英語とは関係ないよね、とか否定的な印象が強くなっていきます。みなさんもそうではなかったですか?
本書ではこのような、語源をもとにした学習につきまとう根本的な障害を取り除き、語源がいかに「単語のつかいこなし」すなわち、「語法」と「語感」を身につけるのに有効であるかと鮮やかに解き明かします。
今まで語源でつまづいたことのある方はぜひ本書を一読ください。語源と現代英語の結びつきや、そのあいだにある英語の歴史もわかって、きっと(月並みな言い方ですが)「目から鱗」状態になることは間違いありません。
トピック別 英作文頻出表現活用ハンドブック(09.09刊)
本はなぜ売れなくなるんでしょうか? どんなベストセラーでも、年月が経てば書店から消えていくか、平積みから棚差しに変わります。そんなの当たり前だと思われるかもしれませんが、なぜと聞かれたら答えられる人は少ないのではないでしょうか。
「新刊」は出た瞬間から、新刊ではなくなります。そもそも新刊っていつまで新刊なんでしょうか? 一週間? 一か月? その著者の次の作品が出るまで? 自分は、読者がその本に初めてであったときが、その読者にとっての新刊だと思っています。
最初の話題に戻りますが、本はなぜ売れなくなるんでしょうか? 考えられる答えとしては、想定される読者層の大半がその本を購入したからというのがあるでしょう。しかし、毎年、200万人近くが新成人になります。お客さんはどんどん増えているわけです。
数年前にすごくよく売れた語学書に、『私の○×を□△します』というのがありました。10数万部が売れたといわれていますが、その本は今では平積みにされている書店は皆無でしょう。内容は旧くなっていないのに、なぜ? そしてその後もその分野の語学書は続々と刊行されています。あれを使って勉強した人たちは無駄だったんでしょうか?
そんな中、『英語リーディング教本』(薬袋 善郎著、研究社)が突然Amazonで1位になり、書店でもまた売れているとのことです。この本は2000年に出された本で、当初はかなり売れたのですが、当然のごとくここ数年は落ち着いていました。それが、ネットでの書き込みをきっかけに内容に対する(高い)評価が広まっていき、再ヒットになったようです。
こういった「過去の名著」が売れることは、『思考の整理学』(外山 滋比古著、ちくま文庫)に代表されるように、それほど珍しくはないのですが、語学書ではほとんどないのではないでしょうか。(いや、同じ研究社の『山貞』の例はありますが)
意外かもしれませんが、出版不況の中でも、語学書や学参は特に最近、売れ行きが鈍っています。ひょっとしたら、書店でそれらのコーナーが縮小されていることにお気づきの方がいらっしゃるかもしれません。
語学書は、時流に乗ったものも当然ありますが、その多くは月日が経ってもその内容は色褪せない、つまり、いつまでもいつ読んでも役に立つものです。目立つ新刊もいいですが、棚に長い間眠っている一冊こそ、あなたが本当に必要としている本課もしれません。その意味で、ぜひ書店にでかけて、平積みばかりでなく、その後ろの棚もじっくりと眺めてみて頂きたいと思います。なにしろ、うちの本はそっちにあることが多いので、、、
超短文でスタート! 得意になる英語長文(09.06刊)
某所(もちろんウエッブ上です:http://www.hanmoto.com/diary/2009/07/29/450/)でこんな議論を見かけました。
「改行」についてです。
いわく、ブログに代表されるウエッブ上の文章にはやたらと「改行」の多いものが多く、その是非を問うているものです。改行を批判する論点から書かれたネット上の文章も紹介されています。
しかし、私にはそのどれもが的を射ていない議論のように思われてしょうがないのです。ぶっちゃけ、アホかと思いますね。ちなみに私は「改行派」です。
そんなの当たり前でしょう。そもそも文章というのは、読み手がいて、その読み手にわかりやすく書かれるべきものなのです。市販されている書物と違って、ウエブ上の文章には、スペースの制約がありません。書籍は1ページ当たりの文字数が決まっていて、また行間にゆとりを持たせたりすることができますが、ウエブではそうはいかないのです(厳密には調整可能ですが、それにはXHTMLやCSSの知識が必要です)。
ブラウザの横幅を広げれば、行が際限なく広がってしまいますし、行間もほとんどありません。もし、そんな状態で書籍が出版されれば、読みにくいことこの上なく、買う人は(立ち読みする人さえも)ほとんどいないでしょう。
ウエブ上の文章には、ウエブならではの作法があると思います。自分の書いた文章を読んでもらいたいのであれば、その手法は自ずから決まってくると思います。
日本人が知らない英文法(05.02刊)
本書の初版は2005年ですが、お陰様で2009年5月現在で4刷りに至りました。有り難うございます。まだ読んでいない方は今すぐポチッとしてくださいね。(詳しくはここから)
さて、新刊でもないのになんで本書をここで取り上げたかというと、3刷りと4刷りでちょっとした変更点があるからです。
といっても改訂されたわけでもなく、本文の内容は3刷りと4刷りでまったく同じです。
で、どこか違うかというと、「本文用紙」と「カバー」(「表紙」じゃないですからね、念のため)が変わったのです。しかし、それも写真ではわかりません。もし書店で両方が並んでいたら実際に確認してみてください。そしてお好きな方を買ってください。
まず、本文用紙ですが、3刷りまで使っていた紙が調達できず、違う紙を使ったところ、本全体の厚みがほんの少し増しました。質的には、前の紙の方が少しよかったかもですね。
次にカバーですが、これは実物を一目見れば分かります。端的に言うと、コーティングが3刷り=つや消しコーティング(マットPP)→4刷り=つや出しコーティング(グロスPP)と変わりました(カバーには、傷や汚れが付きにくくするため、必ず何らかのコーティング加工をします)。 これは、まあ暴露しちゃうと、いわゆる大チョンボです。どこがやったか、そしてなぜやり直さなかったかは、迷惑がかかるので、ここでは書くのはやめておきましょう。包みをあけてビックリだったんですが、いろいろ考慮した上でそのまま発売することにしました。
上の2点を合わせると、3刷りの方が高級感があります。小社にはまだ3刷りが若干残っていますので、直接このサイトのみでの販売ですが、もし3刷りをお求めになりたい場合はお急ぎください。書店には3刷りはもう出荷しません。
今回は単なるミスによる変更だったんですが(カバーの方)、思い出せば、以前にもこんなことはありました。
違う会社に勤めていた時のことのことです。自分の担当した本が重版になったので、喜んでいたところ、出来てきた重版本のカバーがやはり、つや消し→つや出しになっていたのです。驚いて生産課(いろんな発注や原価計算などをする課)の課長に問い詰めると、「ああ、あれね、マットPPは高いから変えといたよ」と明るく言われてしまいました。他にも勝手に本文用紙を変えられたり(単にそっちが安いから)、定価も上げられたり、いろいろあったなあ。
それも今となっては楽しい思い出ですが。あのころはのんびり仕事してたんですね、出版業界も。
aとtheの底力(08.12刊)
本書のカバー(「表紙」じゃないですからね)には、「そこぢから」とルビがふってあります。「底力」といえば読み方は「そこぢから」に決まってるだろ、カス!なんて言わないでくださいね。
世界は広いです。本は著者と編集者の思い込みと思い入れの塊みたいなところがあります。いったん刊行されてしまえば、どんな読まれ方をするのかわかりません。それはタイトルの漢字についても、、、
「底力」だって、「ていりょく」、「ていぢから」、あるいは「そこか」(!)と読まれるかもしれないぢゃないですか。「工藤」を「えとう」と読む人もいるくらいですから。だからルビをふったんです。
そんなわけないだろ、ボケ!という方のために、弊社発行の本でこんな読まれ方をしたという例をあげてみましょう。いずれも、「本当にあった怖い読まれ方」です。(カタカナの部分)
・「英語読解のセータイ」←「英文読解の正体」
・「基本エイブンホウ」←「基本英文法」
・「英語のイイワケ」←「英語の言い分」
・「ミは知らない」←「実は知らない」
そして、、、極めつけがこれです。
・「オニヨメのミラクル英文」←「鬼塚のミラクル英文」(勘弁してください)
というわけで、「底力」にも「そこぢから」とルビをふったのですが、必要なかったでしょうか?
PS それでも、「aとtheのクソヂカラ」とか読む人がいるんだろうな。
PSのPS しかし漢字の心配ばかりしてるけど、「aとthe」自体もどう読まれるのかな? 「アとザ」だとばかり思っていた(思いこんでいた)んですが、「a」は「エイ」かもしれないし、「the」は「ズィー」かもしれない(むしろネイティブスピーカーならそう読みそう)。そうすると、2×2で4通りの読まれ方があることに...
というのは、たった今、某取次からかかってきた電話で言われたんですよ。「"エーとザ" の本のことですけど」って。
PSのPSのPS で、お終い、と思ってたら、「テーリョク」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ジャンル別解説 英文読解の正体(08.10刊)
洞爺湖サミットの主要議題でもあった「環境問題」。何を今さらというのが、偽らざる感想でした。なにしろ、「環境問題」は入試英語のテーマとしては、すでに20年以上前から定番だったからです。その当時から話題の地球温暖化、熱帯雨林の破壊、国境を越える郊外、その他たくさんの問題はいまだに何一つ解決されていないばかりか悪化の一途をたどっています。
いったい世界は今まで何をしていたんでしょう?
な〜んて政治の話をするつもりはまったくありません。ただ、偽善と茶番とエゴがくり返されるサミットがアホらしいだけです。
明日の日本を担う受験生諸君は、この本を読んで、この国の、いや人類の未来に思いを馳せてみてください。
PS はっきり言って、無敵です。うシロ猫がついていますから。
単語力がなくても英文を読みこなす法(08.07刊)
人を食ったようなタイトルですね、「単語力がなくても...」って。
でも、語学書をはじめとした実用書って、この手の売り文句のオンパレードです。
「奇跡の...」「魔法の...」「必ず...」「100%わかる」とか...
他の業界では、たとえば薬事法では誇大広告は厳しく禁じられています。しかし、出版業界ではオカルトもどきのものもセーフというわけです。まあ、本なんてなんでもありですから。
ところで、本書ではカバーの黄色の部分の宣伝文句で、
「英語目」
という表現を使い、これに
「えいごもく」
とルビをふりました。これは最近の語学書の流行を取りいれたものです。すなわち、
「英語」+「身体の器官」
です。最初にこれをやり始めたのはご存知の「英語耳」ですね。すなわち、ネイティブスピーカー(並み)の聴解力という意味です。きわめて秀逸なネーミングだと思います。
そのあと、この二番煎じを狙った類似のタイトルのついた本が次々発行されたこともよくご存知と思います。
「英語耳」「英語口」「英語脳」「英語舌」「英語喉」「英語顔」(笑)
亜流として、「単語耳」というのもあります。あざといですね。
そこで、次はなにかなぁと考えていたら思いついたのが「英語目」だったわけです。要するに、文章を読むさいのネイティブスピーカーの目の付け所という意味で。
ここまでだったら特に問題ないのですが、困ったのはこの「目」の読み方です。上の例に従えば、「えいごめ」となりますが、非常に語呂が悪い。上の例は、「英語」の次の読み方がすべて「二文字」じゃないですか。「みみ」「くち」「のう」「した」「のど」「かお」。
営業担当者は「えいごめ」を主張したのですが、どうしても語呂の悪さが気になります。しかし、「もく」にすると音読みになってしまう。どうせ音読みなら、
「英語眼」(えいごがん)
としたほうがよいのでは?という折衷案も出されました。しかし、これではなにかいかめしい感じになってしまいます。「英語目」のほうが軽い感じがしますよね。
迷った末に、初志貫徹で「えいごもく」でいくことにしました。どうせ、たかが売り文句ですし。これが好評(?)なら、次は正式に「英語目」(えいごもく)というタイトルで本を作ろうというスケベ心はもちろんあります(笑)。
というわけで、本書は「単語力がなくても...」とは大上段に振りかぶったタイトルですが、TOEICやTOEFL、大学入試などの英語の長文対策として、単語力の不足を補う読解テクニックについて述べた本です。
語源・文脈による単語レベルでの意味の類推、パラグラフリーディングの手法(案内標識、段落のタイプ分け、段落と文章の関係など)による効率的な大意把握が効果的に組み合わされています。
これらは、副題の "A Common Sense Approach ..." にもあるとおり、ネイティブスピーカーにとってはある意味「常識」であり、英米では“国語学習”のメソッドの一部に取りいれられているものです。
本書はまた、必要な事項にしぼって頁数を抑え、英文リーディングの入門書としても取り組みやすくなっています。上級の方には「不足感」「物足りなさ」があるかとは思いますが、「本格的でない」ところが本書の特徴でもあるでしょう。
P.S. 「英語〜」シリーズ(?)ですが、密かに「英語人」(えいごびと)というのを考えています。どこかの版元から出ないかな? でもこれって、まんま「ネイティブスピーカー」じゃんwww
What might have been ...
ガリレオの英作文(08.04刊)
みなさん、
「ホームページ」
って言いますよね。でも、これって間違いなんです。いや、間違いじゃないんですけど、
「ホームページ」=home page
じゃないんです。home pageって言うと、「ホームページ」の中の「トップページ」を指します。よく、英米の「ホームページ」を見ると、"HOME"っていう、リンクやボタンがありますよね。あれです。
正しくは、"web site"です。日本でも徐々に、「ウェブサイト」と言うようになりつつありますね。
まあ、「ホームページ」=素人志向、「ウェブサイト」=玄人志向といったところでしょうか。
というわけで、4月刊の『ガリレオの英作文』は、「受験参考書」であるにもかかわらず、「玄人志向」の本格的な英文ライティング書です。どうぞよろしく。
最近の傾向として、特に一般向けの語学書では
「英作文」
という言葉が使われません。代わりに「英文ライティング」といいます。「瞬×英作文」はどうなるんだよ?というツッコミにはあとで答えます。
「英作文」=「受験英語」
という図式があるからでしょう。いやですね、こういった短絡的な図式というか「思いこみ」。他には、
英文解釈または英文読解=受験
英文リーディング=実用
というのもあります。これって同じことなんですけどね。あとそれに乗っかってる出版社も。
要するに、◎×が▲◇なんですね(by 横山やすし)。これ以上は言いませんけど。
で、「英作文」と「英文ライティング」の違いはなんだよ、という話ですが、ひとことで言うと、
「英作文」=「書く」「話す」両方を含む
「英文ライティング」=「書く」だけ
ということになります。当たり前ですが。だから「英作文」は偉大なのです。「ざまあみろ、Pride」(by 前田日明)という感じでしょうか???(意味不明)
本書のアプローチである「発想転換」は大学入試の英作文だけでなく、社会人の方々の「英文ライティング」においても非常に有効です。実際、本書の上級編にあたる、社会人向けの『和文英訳エクササイズブック』は大変好評をいただいて売れています。
社会人の方々も本署を、自由な発想で達意の英文を書くための入門書として使っていただけば、必ず大きな効果があると信じています。
What might have been ...
新・英会話上達法(08.01刊)
突然、こんな疑問にとらわれてしまいました。
本のカバーはなぜカラー(四色刷)なのか?
(「表紙」じゃなくて「カバー」ですから、念のため)
このヴォケ、そのなの当たり前だろ、とおっしゃられてもしょうがありません。でも、思いついちゃったんです。
もちろん、中には単色刷(白黒とか)のカバーもありますが、それは特殊な効果を狙ってか、奇をてらってのものです。99.99...%の本のカバー(表紙じゃありませんよ)はカラーです。
これに対して、80%の本の本文は単色刷(白黒)です。この比率が下がるのは、「二色刷」の本がけっこうあるからです。学参は以前からそうですし、語学書も二色刷のが増えてきました。
なぜ、こうなっているのでしょうか?
それは、どんな本でも、たとえば、本文が10頁だろうが1000頁だろうが、カバーは1枚だけ、要するに「印刷代金」の問題に行き着きます。
ご想像の通り、印刷代金は単色刷→二色→三色→カラーと使う色が増えるに従って、高くなっていきます。本文の頁数が増えればさらにこれがかさみます。そして、本の製作費のほとんどをこの印刷代金がしめます。
だから、ほとんどの本の本文は単色刷なんです。
そして、もう一つ重要なことは、ほとんどの本の定価は、「製作費÷発行部数」で決まります。でも、これは実におかしなことだと思いませんか?
同じフランス料理のメニューでも、大衆的な店となんとかいう本で三つ星がついた店では、料金がかなり、だいたい倍くらい違います。
本だって、「内容」で値段が決められてもいいのではないかと思うのです。
なんで現状がそうならないかは、書くと非常に長くなってしまうので、やめておきますが、だから、本のカバーはふつうカラーなんです。まあ、社長のベンツはなぜ4ドアか、ってのと同じようなもんですかね。
で、おまえは何が言いたいのか?というと、『新・英会話上達法』は、「カバーも本文もカラー」だってこと(表紙は単色刷ですけど)、そして…原価計算を間違えちゃったってことです。嗚呼……
PS
というわけで、今回のカバーには以下のような「兄弟」が存在します。2番はなかなか捨てづらかったので、「扉」として残しました。3番はタイトルの書体とレイアウトが異なります。6番は3番から発展したもので、現行の(↑)とオビの色だけ違うものです。ホント言うと、自分はこっちの方がよかったのですが、第三者(複数)の意見をもとに黄緑色の方に決めました。もちろん、これら以外にも細部をマイナーチェンジした別案が数限りなく存在します。
こんな裏舞台をへて本は作られていくんですね。合掌。
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基本英文法スーパーテク222(07.11刊)
みなさん、お気づきでしょうか?
最近(といっても10年くらい前から)、語学書を中心に本文の紙の色が、クリーム色→真っ白と変わってきていることを。本文用紙の色の白色化が進行しているのです。
これはおそらく、白い方が「モダン」「おしゃれ」な感じがするからだと思われます。これに対してクリーム色は、ちょっと野暮ったいというか、古くさいというか、下手すると「黄ばんでる」なんて勘違いされる恐れもあります。
しかし、2つのうちで、「目にやさしい」=「読みやすい」のは明らかにクリーム色の方でしょう。白い紙はパッと見はいいんですが、読んでいると、目の疲れが早いように感じます。
実は自分も↓の本では、上で述べたような感じを出したかったので、白い紙を使ったんですけど、今から読み返すと、どうもよろしくない。やっぱクリーム色の方が読みやすいですね。
で、今度の本ではまたクリーム色の紙にしたというわけです。読者はそんなこと気にしないのかもしれませんが、毎回、紙の選択には悩みがつきません。
あ、この本のタイトルの「222」は、奥付にも明記しましたが
「にーにーに」
と読みます。また、「基本英文法スーパーテク222」では長ったらしいので、
「スパテクにーにーに」
と呼んでください。
えっ、「スパテク」って、どっかの本にあるって?
そう! それもシリーズもので。実は最初は「基本英文法スパテク222」の予定だったんですが、それで泣く泣く現行のタイトルにしたという裏事情です。
このようにして本はみなさんの目に触れるようになるわけです。
PS 実は、カバーデザインも、月面着陸とは全く違う別バージョンがありました。それもここで公開しちゃいましょう。こっちの方がよかったなんて言わないでくださいね。(ご覧のように最初は220だったんです^^;)
あと、これとは別に、最近の傾向として、「厚い紙を使って少頁数&高価格のごまかし」というのもありますが、それについてはまた別の機会に。
英文法の意外な穴 -- 53 Essays for Curious People(07.06刊)
本書の編集過程で一番難航したのは、
タイトル付け
でした。ご存知のとおり、本書は小サイトで連載していた「日本人が知らない英文法・語法」をもとに執筆されたものです。しかも、その連載そのものが、既刊の『日本人が知らない英文法』(小社刊)の続編に当たるものです。ですから当初は、
「続・日本人が知らない英文法」
「日本人が知らない英文法・2」
などとしようかと考えていたのですが、既刊書と本書では執筆のスタイルが大きく異なっていますし、レベルもぐっと「庶民的」になっています。(それでもかなりアカデミックですが) なので、違う方向性を模索しました。
企画の趣旨はやはり、「日本人の英語学習者が見過ごしやすい・誤りやすい英文法のポイント」ですが、それに加えて、著者のバーナード先生が「学習に対して好奇心のある人に読んでもらいたい」(逆に言えば、安直なものを求める人は読んでもらわなくてもいい、ということになります。思い当たる人はいませんか?)と望んでいらっしゃったことをあわせて考えてみました。実際に本書は、そういった英語のパズル的な楽しさについても多く扱っています。
誤りと好奇心………
この2つを突き詰めて考えをめぐらしていたときに、ふと浮かんだ単語が
「穴」
だったのです。「穴」には、誤りやすい点 -- すなわち「落とし穴」としての「穴」のほかに、好奇心の対象 -- すなわち「覗き文」としての「穴」という2つの意味があります。そういえば、ちょっと前に「〜の穴」っていう映画もありましたね。
そこで、早速調べると、英語の本でタイトルに「穴」のついた本はまだありません。「落ちる穴」に「覗く穴」(覗はむずかしいのでひらがなで)、いいぢゃないですか!(「じ」じゃなくて「ぢ」の気分だったのです)
そこで、最初は『日本人英文法の意外な穴』で決まり!と考えました。
しかし、、、最近、英語の本ってやたら「日本人」のつく本が多いと思いませんか? これでもかと日本人英語の誤りや無知さを指摘してくる。そんなに、日本人は英語を知らないのでしょうか? 読者の方々も、いい加減「日本人云々」の英語本には飽き飽きしているのでは?……と考えた末に(著者からの提案もありました)、「日本人」は思い切ってとってしまうことにしました。
『英文法の意外な穴』
すっきりして、いいぢゃないですか(またもや「ぢ」の気分)。でも、ほんとは、「日本人」を付けた方が売れるんじゃないか…との心残りもあったことを告白しておきます(ここは「じ」の気分ですね)。
というわけで、類書にありがちな、「日本人はここができないから直しなさい!ケケケっ」とい一方的な内容ではなく、「こういう点が間違いやすいから、こう勉強するといいですよ」といった英語上達のTips(学習法)も織り込んだやさしい本ができあがりました。
もちろん、内容的にかなり高度な知識も扱っています(たとえば、「複雑怪奇、しかし、よく使われる表現」など)が、そこはみなさんの「好奇心」を引っ張り出して、「知る喜び」を味わってほしいと思います。
英語の言い分 -- 英米社会の深層に迫る450の表現(07.06刊)
本書のオビの文言にぎくっとされた方もいらっしゃることでしょう。そりゃそうですよね。いきなり英米人から "What planet are you on?" (君はどの惑星にいるのか?) なんて問いかけられたら、誰もがパニックに陥るでしょう?
この表現は、もちろん一種の修辞疑問文で意味するところは、「君はちょっとは現実離れしていないかい」ということです。まあ、何となくはわかりますよね。でも、辞書を引いてみても、この表現が「どうして」そのような意味になるかはたいてい載っていません。
英語にはこんな独特の言いまわしがそれこそ山ほどあるんです。みなさんも今まで、学校や受験勉強あるいはビジネスでその一端に触れてきたことでしょう。なぜそんな意味になるかは知らないまま、、、
本書は、そんな「字面からは想像もできない意味」に、あえて字面から、すなわち、「直訳」を通して挑んだ本です。もちろん挑んだのは著者の木戸充先生ですが。
編集作業中一番苦労したのは、それらの表現の面白さをいかに読者のみなさんにわかってもらうかということです。この手の本はややもすると、単なる雑学集(最近ではトリビアっていうんでしょうか)か、著者の自己満足の集大成に陥ってしまう危険性があります。
著者や編集者だけが面白くても、お客さんが興味を持ってくれなければ、本はあっという間に返品の山、再び書店で日の目を見ることはありません。そういった意味から、実際によく用いられ、実用にも役立ち、しかも、その表現自体が面白い、というものを厳選したのが本書です。(そのつもりです)
本書の最大の特徴は、「直訳」をまず提示して、そこからその表現の成り立ちに立ち入ることです。この「直訳」がすなわと「英語の言い分」なのです。そういった「英語の言い分」が辞書や参考書で提示されることはまずありません。上の "What planet are you on?"でしたら、
What planet is A on [from]?
?話・おどけて?A<人>は現実離れしていないかい.
(ウイズダム英和辞典)
などと、実際の意味が載っているだけですね。これでは、この表現の本質はつかめません。本書は、まずこういった「英語の言い分」を聞いてあげる(すなわち、直訳から意味を探る)ことから、さまざまな表現にアプローチしていきます。
本書を通読されれば、それぞれの言い回しの本当の意味がわかるばかりでなく、それらが成立した歴史・社会的背景にも触れることができ、英米社会という、我々の文化とは異なる文化をもった社会の根の深い部分に立ち入った気分を味わえることでしょう。
また、本書にある例文はすべて、サンダーソン先生が校閲を行った、使える英文です。ネイティブスピーカーとの会話や、英文ライティングにもぜひ本書をご活用ください。
英語の先生方は、今すぐ本書を読んで、明日から生徒さんたちに、うんちくを披露してあげてください。たまには寒い冗談はやめにして、、、
続編も企画していますので、乞うご期待!
P.S. それにしても、書店員のみなさんはどうして本書のタイトルを「〜のいいわけ」と読みたがるんでしょうか???
「いいわけ」でしたら、「言い訳」か「言い分け」だと思うんですけどね、、、
大学入試 鬼塚のミラクル英文108(07.02刊)
本書のタイトルの読み方は
「オニヅカのミラクル…」
です。
「オニヨメのミラクル…」
ではありません。念のため。
某取次、某営業所の某様、お気を付けください。(笑)
本当にあった痛い話、でした。
実は知らない 英文法の真相75(06.12刊)
これまで、語学書や学習参考書の編集をやってきて気になっていたのは、「文法用語」と「その実態」の乖離です。
たとえば、おかしいと思ったことはありませんか?
「過去形」の意味するのは、「過去」だけではありません。「仮定法過去」では、現在のことを「過去形」で表します。「現在完了形」で使われるのは「過去分詞」です。
「現在形」では、今日のことも三日前のことも、さらに明日のことも表します。
英語には「未来形」がありませんが、「未来」のことはちゃんと表せます。
また、「仮定法」は英語では、subjunctive moodです。この中には、どこにも「仮定」も「法」もありません。これはいったいどういうことなのでしょう?
これら以外にも、みなさんは、今まで数え切れない数の「文法用語」とその「ルール」を教わってきたはずです。
学校文法とか受験英語に批判的な方も、「過去形」や「仮定法」などの文法用語や、if節にはwillを使わないといったルールには何の疑いももたず、使っているはずです。
しかし、もしそれらが、誤ったものであり、日本人の英語力向上の妨げになっているとしたら、これほどこっけいなことはありません。
さらに、「用語」と「実態」の違いにうすうす気づいている人たちも、やはり「用語」に引きずられてしまいます。
「過去分詞」というのだから、「過去」の意味があるのだろう、とか、「仮定法」だから、「なにかの方法」だろう、とか……
本書は、このような、私たちが当たり前に思っている、どの本にも当たり前のように載っている、しかし、実は私たちの英語理解と英語力向上を妨げている英文法の真相に迫る本です。
著者の佐藤先生は、代ゼミで20年近く教鞭をとっておられるベテランであり、また、代ゼミきっての文法オタクといううわさもあります。いわば、いわゆる「学校英文法」と「英文法の真の姿」の乖離、そして、高校生レベルで英文法がどのように理解されているかを最もよく把握している方なのです。
その意味で、社会人の方にも、現在進行形でそういった英語を学んでいる高校生や大学受験生の方、そして英語教師の方々にもぜひ読んでいただきたい、そして必ず役に立つ内容になっていると思います。
英文法の真の姿(本書で言うところの「真相」)を知ることは、大学受験に役立たないなどということはなく、むしろ、英語を正しく理解して、英文を読む書くにプラスとなるところが絶大です。たとえば、本書でもくわしく取り上げている「情報構造」や「倒置の真相」などがこれにあたります。
実は(これもタイトルの一部分ですね)、もとの原稿段階では、トピックは75以上あっったのですが、読みやすさや定価の関係で、この頁数に絞りました。また、編集方針として、読みやすさ、取り組みやすさのため、1トピックを見開き2頁(たまに4頁)としました。
漏れたトピックは、「続編」で公開したいと思いますので、楽しみにお待ちください。ただし、こちらがあまりに売れないと、続編も危ういので、よろしくお願い申し上げます。
発想転換で書く 和文英訳エクササイズブック(06.07刊)
本書は、入試英作文の参考書として大好評を博した『コペルニクス英作文』の共著者が、その上級編として著したものです。本書でもまったく同じアプローチで書かれています。
すなわち、日本語を英語に直す、さらにいえば、英語を表現するのに、決まった言い方を覚える必要はないということです。柔軟にその場の状況を自分の知っている英語表現で表していけばよいという考え方です。
普通、「共著」という場合はいろいろなやり方があります。一人が書いて、もう一人が「監修」みたいな形をとっても共著とすることがありますし、完全に半分ずつ書くこともあります(その場合でも、もう半分も必ずチェックします)。
今回は、後者です。勝見先生とバーナード先生が分担を分けて半分ずつ執筆しました。もちろん、バーナード先生の執筆は英語ですので、それを勝見先生が翻訳されています。そして、勝見先生の英訳をバーナード先生が入念にチェックしています。
英訳例は、最低3とおり、多いものは6とおりも紹介されています。それぞれに、なぜそのように訳せるかの解説がほどこされています。これらは、十分に吟味されて作成されたもので、類書にない本書の最大の特徴となっています。
編集作業で苦労したのは、いかに解説をわかりやすくするかです。お二人とも非常に優秀な方ですので、「一般人」(?)には、「なんで?」と思われることも、何事もなかったように処理してしまいます。そのあたりを、指摘して、さらにかみくだいて、あるいは、「こんなこと誰でも知ってるでしょう」といった知識をあえて、解説していただくのが編集の仕事でした。
そして、分量調整です。大学や予備校などの講義では、いくらでも長く解説できますが、「書籍」という形態では、大きさ、スペースが決められています。もちろん、だらだらと長く解説することはできますが、今度は定価が高くなってしまいます。ある程度のページ数を最初から設定し、それにあわせて書いていただくのですが、それでもうまくいかない場合がほとんどです(ほとんどがページオーバー)。語学書では、そのあたりの兼ね合いをつけなければなりません。
『コペルニクス英作文』は完全な大学入試用の学習参考書でしたが、本書は、それを終えた方(もう相当数、たぶん10万人以上でしょう)が、さらにレベルアップできるようになっています。
単文・短文の例題も多いのですが、すべて時事的な話題で、すんなりと訳せない、すなわち、決まった英訳ではなく、さまざまな英語で表現できるような(そうせざるをえない)ような素材を選りすぐってあります。
奇しくも、近年の大学入試では、そのような話題から出題されることが多くなりました。
その意味で、本書は、実用的な英文ライティングの力をみにつけたい社会人にも、難関大学合格を目指す、ある一定以上の力のある大学受験生にも、最適な自習書となっています。
本書は、実際に例題と応用問題に取り組めば絶大な効果がありますが、ただ、日本文と英文を比較しながら眺めていくだけでも、英語表現の自由さと多様さを十分に堪能できる内容となっています。
音声データも無料で用意されていますので、ぜひご一読をお勧めしたいと思います。
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