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「続・句動詞の底力」詳細

続・句動詞の底力

なぜ、動詞と前置詞・副詞が組み合わさると
想像もつかない意味になるのでしょうか?
それは英語の「連続体発想」を知らないから!

いまだに多くの日本人が句動詞を効果的に使えずに苦しんでいます。 それは、“具体的←→中間←→比喩的”そして“比重”という考え方を知らないからです。

続・句動詞の底力例えば、同じ動詞を使っているのにどうしてこんなに意味が違うのでしょう?

sit in the chair(椅子に座る)
←→ sit on a job(仕事をほったらかしにする)
look at him(彼を見る)
←→ look up to him(彼を尊敬している)
come into a room(部屋に入る)
←→ come into a lot of money(大金を相続する)
go up a mountain(山に登る)
←→ go up in flames(炎上する)
fill in the blanks(空欄を埋める)
←→ fill me in on the fact(事実を私に知らせる)

句動詞は時に具体的、時に比喩的であり、多くの場合、その2つの間の中間の意味をもっています。中間の意味と比喩的な意味を理解するには学習者側に柔軟性な考え方が求められます。そして、この「意味の連続体」(文字通りの句動詞⇄比喩的な句動詞)の中を想像力を働かせて容易に行き来できるようになることは句動詞を習得するために非常に重要です。

また、句動詞をつくる動詞と前置詞・副詞は、その両方が同じ比重をもっているとはかぎりません。動詞と前置詞・副詞が変われば、どちらに意味の重みがあるかも変わり、それにより全体的な意味も異なってくるのです。
例えば、I look down on him.(私は彼を軽蔑している)、またはI look up to him.(私は彼を尊敬している)と言った場合、意味の重みはlookよりもdownとupにあるように思えます。そして、句動詞のlookの部分は、文字通りの意味(具体的に「見る」)ではなく比喩的な意味をもっています。
一方、I look at him.(彼を見る)と言った場合、意味の重みはlook(すなわち、見ること)にあり、これは学習者がよく(×)I look himと間違えて言う理由でもあります。

本書は、好評を博した『句動詞の底力』の続編であるとともに、そこで扱った項目のいくつかを改めて取り上げさらに厚みを加えた解説が施されています。

近年、句動詞に関する本が増えてきましたが、そのほとんどが単に基本動詞や前置詞・副詞の紹介や句動詞自体のリストにとどまっています。句動詞についての「考え方」を知り、その本質を理解しなければ、句動詞の習得はたくさんの意味を覚えるだけの単なる苦行になってしまうでしょう。『句動詞の底力』そして、本書『続・句動詞の底力』で「空間発想」と「連続体発想」を理解して、あなたの使える句動詞のレパートリーを増やしてください!

 

information

クリストファ・バーナード著、四六判、228頁、本体1500円

内容紹介(pdfファイル:はしがきと各章の最初の2頁が読めます→◆をクリック)

はしがき
第1章 句動詞の概要
第2章 位置と移動に関わるパーティクル:at, to
第3章 表面と囲まれた場所に関わるパーティクル:on, in
第4章 説得/制止/継続/停止+~ing
第5章 見過ごされがちな興味深いポイント:(1)自動詞と他動詞
第6章 見過ごされがちな興味深いポイント:(2)再帰代名詞
第7章 見過ごされがちな興味深いポイント:(3)ダミーのit
第8章 見過ごされがちな興味深いポイント:(4)文字通りの句動詞と比喩的な句動詞
第9章 動詞goとcomeと句動詞の比喩性
第10章 2つのパーティクルが続く句動詞:~with, ~from, ~to
第11章 動詞getと「困難」
第12章 「増加」と「減少」に関わる句動詞と2つの文法情報
第13章 言語の重要な2つの領域:「書くこと」と「衣服」
第14章 思考の句動詞とは何か?

詳細目次(pdfファイル)

本文索引(pdfファイル)

■クリストファ・バーナード(Christopher Barnard)
 カリブ海セント・ルシア出身。イギリスで学び、ケンブリッジ大学を卒業。その後、アメリカのコーネル大学で言語学の修士号を取得したほか、テンプル大学でも教育博士号を取得する。日本では言語教育や辞書学の分野で幅広い著作活動を行っている。現在、帝京大学教授。
 著書に、『英語句動詞文例辞典』『ルミナス英和辞典』(執筆)『ライトハウス英和辞典』(執筆)『日英辞典』(編著)(以上、研究社)、『英文法の意外な穴』『日本人が知らない英文法』(以上、プレイス)、Language, Ideology, and Japanese History Textbooks(RoutledgeCurzon)などがある。

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