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「名詞表現の底力」詳細

あなたの知らない名詞のダイナミズム

重要でありながら、
なぜか今まで触れられなかった
名詞にかかわる表現と文法を初めて解き明かす。

名詞表現の底力名詞は名前を表す静かなことばと考えている学習者がほとんどです。しかし、英語の名詞はあなたの想像以上に動的な性質を備えています。

たとえば、次の文の名詞arrivalは単なる名詞ではなくて、動詞の働きもしているのです。

His arrival surprised us.
「彼がやって来たので私たちは驚いた」

この文はいわゆる「無生物主語構文」ですが、主語である名詞句His arrivalにはHe arrivedという〈主語+述語〉、すなわち〈文〉に近い構造が隠されているのです。

また、次の(1)(2)は同じ意味の、どちらも英語としては市民権を得ている表現です。しかし、これらをそれぞれ日本語に直訳してみると、(2')は日本語として違和感があります。

(1) If you take this bus, you’ll get to the museum.
(2) This bus will take you to the museum.
(1') このバスに乗れば美術館に行けます。
(2') ? このバスはあなたを美術館に連れて行ってくれるでしょう。

この文も「無生物主語構文」ですが、なぜ英語では、(2)の無生物主語構文も、そうでない(1)が両方とも可能なのに、日本語では(2')は不自然なのかという理由は学校や文法書ではほとんど説明されていません。

本書は名詞の動的な性質、すなわち「名詞のダイナミズム」を中心的なコンセプトとして、従来の文法書などではあまり扱われてこなかった名詞のいろいろな文法的機能や他品詞との関わりについて扱い、さらに上の無生物主語構文のような「言葉の根幹に関わる事項」にまで深く斬り込んで解説しています。

本書を通読すれば、名詞にかかわる表現のしくみのみならず、文法全体の見方を考え直すヒントになることでしょう。 

 

information

勝見 務著、四六判、228頁、本体1500円

内容紹介(pdfファイル:はしがきと各章の最初の4頁が読めます→◆をクリック)

はしがき ◆
第1章 英語は名詞が物を言う(情報の伝え方)
第2章 ネクサスが見えれば英語が見える
第3章 無生物主語構文に隠された因果関係
第4章 名詞のさまざまな働きを知る
第5章 名詞に代わるもの
第6章 名詞を他の品詞として、他の品詞を名詞として
第7章 名詞にはまだまだ別の顔がある
第8章 名詞と動詞・前置詞との結びつき

詳細目次(pdfファイル)

■勝見 務(かつみ・つとむ)
 元駿台予備学校および代々木ゼミナール講師。現在は、奇をてらわずに原書や文献の幅広い調査に基づいた英文法に関する研究・執筆に従事。  
  主な著書は以下の通り:  『超英文法使い分けマニュアル』『基本英文法スーパーテク222』『単語力がなくても英文を読みこなす法』(共著)『和文英訳エクササイズブック』(共著)(以上、プレイス)、『コペルニクス英作文』(共著)『キャプテンクックの英文解釈』(共著)『プラトンの英作文講義』(共著)『英語教師のための英文法再整理』(以上、研究社)、訳書に『英語句動詞文例辞典』(研究社)、『ネイティブ発想・英熟語』(プレイス)など。

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